ストリートチルドレンとは


ストリートチルドレンの定義

形態も様々であり、その範囲も漠然としているストリートチルドレンを単に言葉で定義することは難しいです。本記事では、『国際協力の地平―21世紀に生きる若者へのメッセージ』(2002年、NGO活動教育研究センター)より、

 

本来ならば、大人たちから十分に保護され、監督されるべき年齢であるにも関わらず、家を離れて路上で暮らしている子供たち

 

 

と定義します。

駅で暮らす少年たち。
駅で暮らす少年たち。

ゴミ拾いの仕事で、日々の生活費を稼ぐ少年。
ゴミ拾いの仕事で、日々の生活費を稼ぐ少年。

ストリートチルドレンになる理由

1. 親を失う

「戦争」「災害」「病気」などで親や土地、住居を失い、誰にも保護されることが無くなった子供たちは、路上で暮らさざるを得なくなり、ストリートチルドレンになります。

 

2. 家出をする

家庭の経済状況が貧しいと、「心理的・身体的虐待」「養育放棄」「両親の離婚」「両親の薬物中毒」「子供が出稼ぎしなければならない状況」等、子供が家出をする様々な要因が生まれます。

家出をし、仕事を求め都市部にやってきた子供たちがそのまま住み着き、ストリートチルドレンになります。

 

 

ストリートチルドレンの現状

正確な人数を把握することは難しいですが、現在世界には1億人から1.5億人のストリートチルドレンがいると言われています。これは、世界の子ども人口の約8.4%と言われ、約12人に1人は路上での生活を余儀なくされています。

また、バングラデシュでは、首都のダッカだけでも、親元を離れて暮らすストリートチルドレンが33万人以上いると言われています。


ストリートチルドレンの暮らし

集団で暮らす

ストリートチルドレンの多くは一人で暮らすのではなく、3人~20人程の集団を構成して暮らしています。この理由としては、同じ境遇の子供たちと集団生活をすることで、「路上生活の寂しさを紛らわすため」「危険な路上生活において自分の身を守るため」等が挙げられます。

 

仕事と収入

ストリートチルドレンの仕事は、「荷物運び」「洗車」「清掃」「靴磨き」「くず拾い」「物乞い」等、形態は様々です。

しかし、それらの仕事から得られる収入は僅かです。11015時間働いたとしても、収入が100円に満たないケースも多々存在します。

港に隣接する施設内で、仕事の合間に休息を取る少年たち。
港に隣接する施設内で、仕事の合間に休息を取る少年たち。

広場に寝かせられ、物乞いをする少年。彼はポリオ(小児性麻痺)を患っている。
広場に寝かせられ、物乞いをする少年。彼はポリオ(小児性麻痺)を患っている。
小舟に乗り、水底に沈むごみを拾う少年たち。
小舟に乗り、水底に沈むごみを拾う少年たち。

ストリートチルドレンが直面する問題・リスク

薬物

「路上生活の寂しさ」「親から虐待されたトラウマ」「生活環境の悪さ」、これらを忘れるため、多くのストリートチルドレンがシンナー等の薬物に手を伸ばします。子供たちには、「薬物による中毒死」「薬物による酩酊状態の時に事故に巻き込まれる」等の危機が迫ります。

 

栄養失調と感染症の蔓延

ストリートチルドレンの多くは十分な栄養を摂取することが出来ず、同時に生活環境の悪い場所に住んでいるため、感染症を患う率が高く、最悪の場合死に至ります。

 

教育機会の欠如

ストリートチルドレンの多くは日中働いているため、通常の学校に通うことが出来ません。そのため、NGO等によって運営される非公式学校(Non-Formal Education)等に通うことが多いです。

 

暴力

日常的に警察や市民からの暴力にさらされています。また、治安を乱すという理由から連行されることもあります。

 

以上の他にも、路上での生活は多くの問題とリスクを含んでいます。


≪参考文献≫

Neera Fahria Subarna, Amit Kumar Biswas, Md. Kayum Shikdar, Abir HassanThe Social Life of Street Children in Khulna City of Bangladesh: A Socio-Psychological Analysis

UNICEF『世界子供白書2006

・石井光太(2011)『絶対貧困-世界リアル貧困学講義-』新潮文庫

・中嶋裕子,中島友子「ストリートチルドレン・働く子どもを対象とするインドのNGO活動の理念と実際- NGOバタフライズの活動-p2,3